イエスの友会とは

はじめに

イエスの友会は、1921年(大正10年)10月5日奈良の菊水楼で、賀川豊彦(1888~1960)の他13名の牧師たちによって結成された。当時の日本は、いまだ希望のない暗い社会状況であった。イエスの友同志たちはこのような社会にも灯をかかげて、キリストの僕として下座奉仕をしようとの決意で奉仕を実践した。
それは、聖フランシスの愛と奉仕の実践に共 通するものであった。 イエスの友の実践綱領として、次の5つを掲げた。

1. イエスにありて敬虔なること。

2. 貧しき者の友となりて労働を愛すること。

3. 世界平和のために努力すること。

4. 純潔なる生活を貴ぶこと。

5. 社会奉仕を旨とすること。

これらの五綱領を旗印として同志たちは一生懸命に伝道し、農村・漁村・都会と言わず出掛けて行った。その働きは広範囲にわたっており、児童、婦人層を初め、保育、結核患者の看護、救らい、農業者・労働者・協同組合運動へと発展して、世界平和のためにも貢献した。イエスの友会はキリスト教の超教派の団体であり教職と信徒が互いに立場を尊重し合いながら、地域と国をこえて前進する同志的交りの団体である。今も、この精神は受け継がれており教会での活動や祈りの運動、聖書の贈呈(ギデオン協会)、社会福祉への奉仕、共同伝道、福音学校等を通して後継者を養成する教育訓練を展開している。

イエスの友会は、教会と社会とを繋ぐ橋の役割を担う積極的な運動体であるが、毎年夏には、聖修会を開き、集まった会員が互いに励まし合い、日頃は全国各地にある支部を通して運動を進めており、機関紙『火の柱』を発行している。
さらに、国外の宣教に視野を広めてアジア諸国や南北米の教会を通して、諸国の人々の協力を得て救済活動を行なっており、この趣旨に 賛同する方々と共に、手を組んで前進して行きたいと願っている。

1922年東山荘にて第一回聖修会の写真